目の病気

目の病気


ドライアイ
 涙は目の表面を覆う膜をつくり、目を守るバリアのような働きをしています。その涙が不安定になると目の表面が荒れてしまい、目の乾きや目の疲れ、ゴロゴロ感を感じるようになります。それがドライアイです。女性に多い悩みで、年齢と共に体の水分が減っていくような感覚の方もいます。潤いの無い目はどんよりとしており、魅力に欠けてしまいます。

 ドライアイの症状には乾燥感や疲れ、異物感、かすみ、かゆみ、涙が出る、メヤニ、充血、痛みなどドライアイとは直接関係ないように思えるものもあり、注意が必要です。

 ドライアイの主な原因は直接的なものでは涙の量の減少、成分の変化、瞬きの減少、蒸発過多、コンタクトレンズ等です。間接的なものはシェーグレン症候群や膠原病等の病気だけでなく、加齢や不規則な生活(特に食事や睡眠)、ストレス、VDT作業(パソコン・スマホ)、動画、読書、環境(乾燥した空気、空調の風)等が原因となります。

 ドライアイの治療は主に点眼薬を使用して涙の膜を安定させたり、涙の成分を整えたりするものです。点眼薬は1‐2種類を使用します。涙の量がとても少ない場合は涙点プラグ等の治療がありますが、当院では行っておりません。
 乾燥した肌をイメージしていただければ良いと思いますが、乾燥した目にも潤いが必要です。お肌のお手入れと同じ感覚で点眼薬を使用している方もいらっしゃいます。
  



アレルギー性結膜炎
 アレルギー結膜炎の方は全国で2000万人と推定されています。花粉症等の季節性アレルギー性結膜炎と、ダニなどの通年性アレルギー性結膜炎に分かれます。どちらも完全に治すことは難しく、日常生活に大きな支障をきたします

 治療の基本アレルゲン(アレルギーを引き起こす原因物質)を避けるセルフケア点眼薬を上手に使用して症状をコントロールする事です。花粉症(スギ・ヒノキ・カモガヤ・ブタクサ等)によるアレルギー性結膜炎はシーズン早期からの治療開始(初期療法)をお勧めしています

 鼻炎の症状も合併している場合耳鼻科での治療も同時に受けていただくと薬の効果が高くなります。(鼻の刺激により目のかゆみが強くなる現象が報告されています)

セルフケアのポイント
 マスク・ゴーグル(花粉メガネ)を着用する。外出時は化繊で出来た帽子・スカーフ・コート・上着を着用する。帰宅時に玄関前で手で服の表面をはたき、家に入ったら花粉に触れている服はすぐ脱ぐ。脱いだ服はそのまま部屋の中に持ち込まない(玄関内にハンガー掛け等を用意)、洗濯するものは袋に入れて洗濯直前に出す。シャワーを浴びる
 洗濯物・布団は外で干さない。布団・カーペットはマメに掃除機をかける。フローリングは朝一番に拭き掃除をする
 ファーストフード等の加工食品の取り過ぎに注意してバランスの取れた食生活をする。たばこ・お酒・刺激性の強い香辛料などの摂取は控える。皮膚を鍛え、ストレスを減らすように心がける。コンタクトレンズの使用は出来るだけ控える。
   



白内障
 水晶体が濁ってしまった状態を白内障と言います。人間の目はカメラに例えられることが多いのですが、カメラのレンズに当たる部分が水晶体です。水晶体は茶目(虹彩)の後ろにあります

 白内障の原因で最も多いのは加齢によるものです。個人差はありますが、誰でも白内障になります。他には糖尿病などの合併症によるものや先天性、目のケガ、放射線、薬剤の副作用によるものがあります

 白内障の症状は、正常な水晶体は透明で光を通しますが白内障になり水晶体が濁ると光が通り難くなるために、見ずらくなったり、光を反射して眩しくなります
  

 白内障の症状軽度の場合ほとんど無い事が多く、中程度になるとかすんで見えたり眩しくなったりします。個人差がありますが、物が二重三重に見える方もいます。白内障だけでは痛みや充血はありません。白内障による症状は目を休ませたり、メガネを作ってもも改善しません
  
 加齢による白内障は急に発症するものではなく、白髪と同じで年齢と共に少しずつ進んでいきます。日常生活に不便が無いならば経過観察で良いのですが、運転免許が更新できないと困る方など、白内障の進行が心配な方定期検査を受けましょう

 白内障が進行して日常生活に不自由を感じた場合手術をお勧めします。当院では白内障の手術は行っておりませんので、手術を希望される方には相談の上で他施設を紹介しております



緑内障
 緑内障は日本人の中途失明の原因第1位。視神経繊維の数が減り、視野が徐々に欠けていく病気です。40歳以上の20人に1人は緑内障であると大規模な調査で判明しており、緑内障と気が付いていない方が多いと思われます

 緑内障の症状は”視野が欠ける”ため、初期ではほとんど気が付きません健康診断(人間ドック)で指摘されたり、中程度になってから気が付く方もいます。周辺の視野から欠けることが多いため、周囲に人や物が有る事に気が付かなかったり、ぶつかったりする事があります。さらに進行すると視力が下がってきます

  

 緑内障の診断視野検査を受けることで判明します。当院では予約制で視野検査を行っております。緑内障が心配な方、健康診断等で精密検査を勧められた方は是非ご相談下さい。視野検査の予約はi-callシステムからは取れません。診察を受けていただいた上での予約になります。予約が空いていれば当日の検査も可能です

 緑内障での通院は通常2ヶ月に1回、視野検査は半年に1回程度行っています

 緑内障の治療とは病気の進行を抑える治療です。点眼薬で眼圧を下げ、視神経にかかる圧力を軽くする事で緑内障の進行を遅くします。通常は点眼薬を1~3種類使用します。点眼薬を使用しても眼圧が十分に下がらない場合は、手術で眼圧を下げます。当院では手術を行っておりませんので、手術が必要な場合は他施設を紹介しております

 緑内障で一度失ってしまった視力や視野は回復することはありません。早期発見と治療によって視野障害や視力障害の進行を出来るだけ押さえて行きましょう



糖尿病網膜症
 糖尿病による目の合併症です。進行すると失明することもあり、症状が無い方でも年に1回の定期検査をお勧めしています。血糖コントロールが重要になるため、内科との連携も必要です。ほとんどの方は内科からのご紹介で受診されます

 糖尿病網膜症は進行の段階が3つに分けられます。単純網膜症から増殖前網膜症ではほとんど自覚症状が無いため、眼科の検査で発見されることが多いようです。増殖網膜症になると視力が低下する場合が多く、高度医療施設での治療が必要になります

 当院では単純網膜症の定期検査に対応しております。蛍光眼底造影や眼底三次元画像解析等の精密検査レーザー治療・手術が必要な方は高度医療施設にご紹介しております