のどの病気

のどの病気

のどの症状から考えらる疾患一覧

・のどが痛い:急性扁桃炎、急性咽頭炎、口内炎、扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍、喉頭炎、喉頭蓋炎、咽頭異物(魚骨異物等)

・のどが詰まる:扁桃周囲膿瘍、咽頭異物

・のどの異物感(何かある感じ):慢性上咽頭炎、咽喉頭異常感症、逆流性食道炎、喉頭異物、喉頭がん、下咽頭がん、食道がん

・飲み込みにくい:嚥下障害、喉頭がん、下咽頭がん、食道がん

・痰がからむ:咽頭炎、喉頭炎、加齢性変化、喉頭がん、下咽頭がん、食道がん

・痰が詰まる:加齢性変化、喉頭がん、下咽頭がん、食道がん

・むせやすい:加齢性変化、反回神経麻痺、喉頭がん、下咽頭がん、食道がん

・声がかれる:声帯炎、声帯結節、声帯ポリープ、声帯萎縮、加齢性変化、反回神経麻痺、喉頭がん、下咽頭がん、食道がん

・声が出ない:喉頭がん、反回神経麻痺


疾患別の説明です

急性咽頭炎、急性扁桃炎
 咽頭(おおむね口の中)に細菌やウィルスが侵入して炎症を起こすと急性咽頭炎を発症します。扁桃に炎症が強い時は急性扁桃炎になります。風邪との違いはのどの痛みの強さです。
 扁桃の急性炎症が強い場合、扁桃が赤くなり腫脹して、さらに進行すると扁桃に白色の膿状物質が付着し、やがて白い苔の様なもので覆われます。38度から40度の高熱、のどの痛み、首の腫れや痛み、全身のだるさを自覚します。時に関節痛や頭痛を訴えることもあります。
治療:内服、点滴、安静
 適切な治療を行うと比較的早期に改善しますが、放置すると周囲に炎症が波及してしまい治療に時間がかかります

*溶連菌感染症:溶血性連鎖球菌(溶連菌)が口腔内や咽頭、扁桃に感染してしまうと発熱、首の腫れや痛み、頭痛が出現します。幼児に多く見られますが、成人でも発症します。抗菌剤の内服を行うと早期に改善しますが、内服を中断すると後に腎臓に障害をきたすことがあり注意が必要です。腎臓に異常が出ると足が浮腫む、尿に血液が混じるといった症状がでます

扁桃周囲炎
 多くは急性扁桃炎の炎症が進展して周囲に波及すると扁桃周囲炎になります。炎症が軽度の場合は熱が出ないこともあり、軽く考えて放置すると悪化します。片側ののどの痛みや飲み込んだ際の耳の後ろの痛みが出現することもあります。
治療:内服、点滴、安静

扁桃周囲膿瘍
 扁桃周囲炎の病状が進行して膿が溜まり、扁桃周囲膿瘍を発症します。発熱や片側ののどの痛みや首の痛みだけではなく口を開けにくい、飲み込むと痛いので食事が取れない、声を出そうとしてもこもった声しか出ないこともあります
 最近では咽頭炎・扁桃炎から急速に扁桃周囲炎扁桃周囲膿瘍に移行することも増えました
治療:内服、点滴、切開排膿、入院治療が必要になることもあります

喉頭炎
 声をつかさどる声帯の周囲である喉頭に炎症が起きます。のどの下の方が痛くなる、痰が絡む、咳を伴うこともあります。声帯にも炎症が及ぶと声の出しにくさや嗄れ、時には声が出なくなることもあります。早期の受診をお勧めします。
 無理に声を出す、飲酒や喫煙を控えましょう。無理に声を出すと声帯に”タコ”のできる声帯結節になることがあり注意が必要です
治療:内服、ネブライザー

喉頭蓋炎
 飲み込み時に誤嚥を防ぐ役割を持つ喉頭蓋に炎症が起きます。口の中は炎症所見に乏しいにもかかわらず、強いのどの痛み、発熱や徐々に声が出しにくくなり、こもったような声になります。急激に悪化すると窒息することがあります。生命の危険があり、緊急の対応が必要になります

声帯炎
 大声を無理に出す、冷たい風をのどに直接受けると声がかれます。声帯に炎症が生じます

声帯結節
 大きな発声を続ける、無理に高い声を出し続けると声帯に結節(タコ)が出来ます。小児では活発で発声量も多い男児に多く、成人では音声を多用する職業(保育士、教師、インストラクター等)の女性に多く見られます。無理な発声、負担のかかる発声をやめると改善しやすいのですが、再発しやすいので注意が必要です

声帯ポリープ
 声の乱用や咳払いといった声帯に負担がかかると声帯にポリープが発症します。喫煙者はだみ声になりやすいので注意しましょう

喉頭麻痺(声帯麻痺)
声をつかさどる声帯の運動障害を指します。声がかれる、長く続かない、大きな声が出しにくい、食事の際にむせる、時に呼吸困難を伴うことがあります。神経の麻痺やガン、動脈瘤が原因で生じることがあります

喉頭がん
多量の喫煙や飲酒歴により、発声と飲み込みを補助する喉頭にがんが発生します。主な症状は声がかすれる、のどがひっかかる感じ、飲み込みにくさ、首の腫れです。長期間、声がかすれるようであれば早期に受診しましょう

下咽頭がん
過度の飲酒や喫煙歴が原因となります。早期では症状が出現しにくく、進行とともにのどの違和感や痛み、飲み込みにくさ、声のかれを自覚します。時に、首の腫れで発見されることがあります

慢性上咽頭炎
上咽頭とは鼻の奥の部分、左右の鼻の穴が合流する場所からのどの奥(中咽頭)までの部分です。この部分が慢性的に炎症を起こしている状態が慢性上咽頭炎です

原因
カゼ等のウィルスや細菌感染などによって急性上咽頭炎が起き、完全に治癒しない状態が続き慢性化してしまったと考えられています

慢性化しやすい要因としては
①喫煙、粉塵・黄砂などの吸引
②寝不足・疲労・ストレス等での免疫力低下
③首回りが冷えた事による、のどの冷え
④口呼吸など、のどの乾燥


自分でできる治療法の紹介:セルフケア
まずはセルフケアからお勧めします!

①上咽頭洗浄
1日2回、生理食塩水を用いて行います。生理食塩水は水1Lに食塩を9g溶かしたものですが自作する場合は0.9%に正確に調整する必要はありません。水(蒸留水か精製水)250ccに食塩小さじ3分の1程度を溶かしましょう
座った状態で頭を60度以上後ろに倒すか、上向きに寝た状態で生理食塩水を左右の鼻の穴にスポイトで2cc程度入れます。鼻から入れた食塩水は口から出すか、そのまま飲み込みます。

市販されている上咽頭洗浄液。ネットで検索すると出てきます
・ミサトールリノローション
・微酸性電解水:プレフィア、MSMプレフィア

鼻うがい用の洗浄液を上咽頭洗浄液として利用することも可能です


②鼻うがい
鼻腔全体の洗浄、粉塵や花粉・ホコリなどのアレルゲン物質を洗い流すことが主目的です
片方の鼻から入れて、もう片方の穴から洗浄水を出すものが主流。薬局で手に入ります
・サイナス・リンス
・ナサリン
・ハナクリーン


③首の後ろを温める
首の後ろを温めると上咽頭の血流が改善します
・蒸しタオルや湯たんぽ(電子レンジで温めるタイプも販売されています)等を10分程度、首の後ろに当てる
・普段からスカーフ・マフラー・ストール等で首を冷えから保護する
・就寝時もタオル・手ぬぐいを首に巻く
首周りの血流が改善すると首コリや肩こりも改善します


④鼻呼吸
なるべく鼻呼吸をします。マスクをしていると息苦しくて口が開いてしまうことがあります

睡眠時に口が開いてしまう場合は口テープを利用する
・マウスリープ
・ネルネル
・ナイトミン鼻呼吸テープ
・セレブリーズ

舌の先を上あごに常時くっつけるように意識すると口が開きません

当院で受けられる治療法
上咽頭擦過療法EAT(Bスポット療法)
*痛みを伴う治療法です


参考文献:「つらい不調が続いたら慢性上咽頭炎を治しなさい」あさ出版 著者:堀田修