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Doctor’s Journey開院12年記念、院長インタビュー

【理想の町医者を目指して】

東京都国立市で12年。コロナ禍で地域医療を支え続けた医師の素顔。本記事では、以下の3つの視点から院長の医療哲学を紹介します。

【原点】 公立校から医学部進学、夢をかなえた努力

【信念】 コロナ禍で見せた、地域医療の担い手としての覚悟

【未来】 人の持つ可能性を信じ、活かす、進化する理想

「この街で、皆さんの健康を守り続けたい」と語る院長の、熱い想いをご覧ください。
※この記事は2025年末に開業12年を記念して行われたインタビューを基に作成しています。内容、写真は当時のものです。


 

第1章:原点 〜医師を志し、地道な努力で実現〜

質問者
まず、先生が医師を目指された経緯についてお聞かせください。
院 長
小学生の時から医師を志していました。きっかけは、祖母が病に倒れたことです。元気が無く寝込んでいる祖母を見て、子どもながらに心を痛めました。その時、近所の先生が往診に来てくれたのです。祖母が健康を取り戻す様子を見て、深く感銘を受けました。「一人の医師が家族に明るさを取り戻す」その姿に憧れたのが始まりです。私は昭島市の出身で、小学校から高校まで地元の公立校に通いました。私大の医学部は学費の面で断念し、国公立大学一本で受験しました。浪人も経験しましたが、予備校で同じ目標を持つ友人と切磋琢磨したことで、医師への思いはより強固なものになりました。
 
質問者
数ある診療科の中で、なぜ「耳鼻咽喉科」を選ばれたのでしょうか?
院 長
最初は手術への憧れから「外科」を希望していました。ところが学生時代の病院実習で耳鼻科を回った時に、中耳炎や副鼻腔炎といった身近な病気から、めまい、さらには癌(がん)まで非常に幅広く、深く診療する専門性の高さに驚きました。この「守備範囲の広さ」こそが、医師として一生を懸けるやりがいになると確信し、耳鼻科の道を選びました。
質問者
防衛医大で学ばれていますが、大学時代はどのように過ごされましたか?
院 長
大学時代は「文武両道」でした。防衛医大は全寮制で、朝から夕方まで講義や実習でギッシリ。訓練も定期的にあります。限られた時間の中で、勉強だけでなく陸上部の活動にも全力で取り組みました。先輩と練習方法を工夫し、関東や東日本の大会で活躍できたことは大きな自信になりました。この時に培った体力や、先輩方との絆は、現在の診療や他病院とのスムーズな医療連携にも大きく役立っています。
 
質問者
その後、開業を決意されたのはなぜですか?
院 長
長男の誕生が私の背中を押しました。私の大学は数年おきに全国転勤があり、そのたびに担当医が変わってしまいます。以前から「一人の患者さんを、同じ場所で長く診療していきたい」という思いを強く持っていました。長男の誕生後、地域に根ざした開業を決意し、地方の公立病院で経験を積み、開業しました。
質問者
国立市という場所を選ばれた理由を教えてください。
院 長
国立市は、上品で落ち着いた憧れの土地です。私は昭島市で育ち、高校は立川市でしたので、多摩エリアには強い親近感があり、その中でも国立市は「文教都市」として別格の存在でした。その国立市の住宅街で、人を元気にする「明るいクリニック」を開業したいと考え、この地を選びました。


第2章:信念 〜開業から11年、コロナ禍を乗り越えて〜

質問者
開業から11年。振り返ってみていかがですか?
院 長
地域医療において、11年は「まだまだ始まり」だと思っています。開業当時は小さかったお子さんが、高校生、大学生、そして社会人へと成長していく姿を見守れるのは、かかりつけ医として本当に感慨深いです。今では家族三世代で通ってくださる方もいますね。国立市には耳鼻科が多く開業していますから、その中で当院を選んでくれた患者さん「ファン」になってくれた方々を大切にしたいと思っています。
質問者
先生が掲げる「理想の医師像」とは?
院 長
一言で言えば、良い意味での「町医者」です。身近にいてくれて、すごく頼りになる存在。私もまだまだ理想には遠いのですが、耳鼻科で対応可能な疾患であれば風邪などの軽症から中等症まで、大きな病院に行かなくても近くの当院で完結できるように、幅広く診療して早期発見・早期治療を目指しています。もちろん、高度な治療が必要な場合は、信頼できる提携病院へ迅速に紹介できる体制も整えています。
 
質問者
コロナ禍では、地域でもいち早く「発熱外来」を開設されました。
院 長
当時は診察してくれる病院が見つからない「発熱難民」の方が多く、放っておけませんでした。自分がやらなくて誰がやるのかと、決断しました。新型コロナやインフルエンザは「喉の痛み」や「咳」を伴うことも多く、耳鼻科の領域に入ります。スタッフを説得して発熱外来を開始し、当初は風評被害もありました。その中で、患者さんからの「ありがとう」という言葉に、私だけでなくスタッフも医療の本質を再確認でき、団結力が強まりました。
質問者
経営面でも大変な時期があったと伺いました。
院 長
コロナ禍の外出自粛期は、患者さんが激減し、雇用維持に頭を抱えることもありました。それでも続けてこれたのは、地域の患者さんたちが当院の「ファン」になって支えてくれたから。今があるのは、皆様のおかげだと心から感謝しています。
質問者
現在、どのような患者さんが多く来院されていますか?
院 長
日常が戻ってきたので、アレルギー性鼻炎、のどの不調、聞こえの相談、耳掃除、めまい、発熱と多岐にわたります。「アレルギー性鼻炎」は内服や点鼻薬での治療だけでなく、予防的レーザー治療や舌下免疫療法と選択肢があります。「慢性上咽頭炎」に対する上咽頭擦過療法を希望される方も以前より増えてきました。「めまい」は季節の変わり目に多い印象ですが、1年中コンスタントに受診されるので、私も勉強し直す必要を感じ、めまい相談医の認定試験を受験して合格しました。「発熱外来」も継続して行っていますが、夏と冬の二峰性ピークが見られますね。

第3章:未来 〜理想のクリニックを目指して〜

質問者
これからの展望についてお聞かせください。
院 長
今後は「治す」だけでなく「防ぐ」ための「予防医療」や、皆様への健康啓蒙活動に力を入れたいです。地域の多職種の方々と連携し、国立市全体を元気にする取り組みにも関わりたいですね。例を挙げると、中高年からのフレイル対策。耳鼻科のフレイルでは「聴こえ(難聴)」と「飲み込み(嚥下困難)」が特に重要です。他には低年齢化しているアレルギー性鼻炎対策、特に「舌下免疫療法」が重要と考えています。
 
質問者
現在取り組んでいる課題や、工夫されていることは?
院 長
システムの改善、人手不足の解消ですね。医療界全体の人手不足に対し、当院では「医療DX(デジタルトランスフォーメーション)」を積極的に導入しています。事前web問診や順番予約システム、オンライン資格確認のおかげで、来院後の事務作業時間を大幅に短縮できました。事務作業時間が減ると患者さんの待ち時間が減ります。今後は無人受付やキャッシュレス会計の導入も検討中です。労働人口が減少する中で、我々が出来る事は事務作業の効率化しか無いと思っています。患者さんにもお手伝いをいただく中で「サポートが必要な患者さんには、きちんと対応できる体制」を最大限に確保したいと考えています。
質問者
テクノロジーを活用しつつ、一番大切にしたいことは何ですか?
院 長
「人にしかできないこと」です。最新技術と競争するのではなく、上手に利用することで、人間の価値を上げる時代が来ています。少子高齢化が進む中でも、医療は人間が健やかに生きるために絶対に必要ですから、「人を活かす仕組み」をもっと構築していきたいです。
 
質問者
最後に、地域の皆様へメッセージをお願いします。
院 長
医療は教科書の中だけにあるのではなく、日々の診療での新たな発見こそが、次の患者さんの治療を助けます。そんな「学びと感謝の循環」を大切にしながら、人を元気にする「明るいクリニック」を作り、皆様の健康をずっと守り続けていきたいと思っております。
質問者
先生の熱意と人柄が伝わるお話でした。本日はありがとうございました。
 
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